吉原くん炎上す

改札口で吉原くんとお母さんが出迎えてくれた。

お母さんは以前とは見違えるように健康的になっていた。

髪を染めただけじゃなくて、ジーパンにTシャツ姿。

私を見つけるなり満面の笑みで手を振る。


「麻美ちゃ~ん」

大きな声でお母さんは私を呼ぶ。

ちょっと恥ずかしかったけど、元気そうなお母さんの姿を見たら私も嬉しくなった。


先日の様子と全く違っていて正直戸惑いを隠せなかったけど。


駅前に駐車していた軽自動車に乗って、吉原くんが色々と話をしてくれてようやく私もお母さんの現状に慣れる事ができた。


元々の性格は今の状態だったみたい。

吉原くんのお父さんが小学生の時に亡くなってから、だいぶ苦労してきたみたい。

さらに義理のお父さんがあんなだったからもともとの明るい性格が影を潜めていたんだって。

なるほどなーって思った。
だからこそ、吉原くんもお母さんの事を気に掛けていたのか、って納得。
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