吉原くん炎上す

車はどんどんと山の上へ向かっていく。

もう緑ばっかり。

流石に頂上までは行かなかったけど、途中で細い砂利道を走ると間もなく視界がが開けた。

その先には藁葺きの屋根の家が一軒ぽつんと見えた。


「あれがお世話になっている長田さんの家だよ」

吉原くんが指を指す。


「すごい!」

私は感動した。

藁葺きの家なんて初めてだ。



「ねえねえ、囲炉裏とかあるの?」

私は興味津々だった。

吉原くんは笑って説明してくれた。


「あるよ。風呂も竈も薪。トイレも水洗じゃなくて外だからね」

トイレだけは賛同しかねたけど、いいなーって思った。

私こういうの嫌いじゃない。

まあ、ずっと住んでみたら不便で嫌とか言うかもしれないけどね。
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