吉原くん炎上す
長田家の裏手に周ると諏訪の町が一望できる小高い丘があった。
そこで街の灯を二人でボーっと見た。
何かしゃべろうと思ったんだけど、空は星だらけだし、諏訪湖のほうは綺麗な夜景だしで、私はそっちに夢中になってしまった。
「いいなー、こういう所」
ポツリと言うと吉原くんは即座に言う。
「いいでしょ?心が洗われるようでしょ?でも慣れちゃうと不便だなぁとか文明が恋しいなぁとか思うよ。きっと」
「吉原くんもそうなの?」
そう言うと吉原くんは困った顔。
「実はそうでもない」
「なんだよー適当な事言ってさー」
ちょっとばかり私は腹を立てた。
吉原くんとこの諏訪の夜景と星空に対して。