吉原くん炎上す

「もうすぐお別れだね」

私は吉原くんをジーっと見つめて言った。


「うん」

吉原くんが元気のない声で答える。


「しばらくは会えないね」

ジーっと見つめたまま私は続ける。


「うん」

吉原くんも私の目を見る。


視線が絡み合う。

僅か50センチほどの距離。


吉原くんは私の右手を唐突にぎゅっと握った。
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