吉原くん炎上す

なんというか、想像以上の酷いブログだった。

そこには誰かに訴えたい何かが歪んだ姿で描かれていた。


それを本当に書いたのが吉原くんなのかはわからない。

彼が携帯でそのブログを見ていたとしても、そのブログのタイトルが彼の名前であったとしても、それが本当に私の隣の吉原くんが書いたものとは限らない。

誰かが成りすまして書いたのかもしれない。
あるいはただの同姓同名かもしれない。

でも、本当にそれを書いた事が吉原くんであり、書かれたことが真実だったら・・・。


私は吉原くんに近づくのが怖い。

隣の席にいる事にも耐えられない。



私は初めて彼を他のクラスメートよりも特別な目で見るようになった。

「危険」過ぎる、という意味で。

だからこそ、私はそのブログをすべて読む事にしたのだ。


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