吉原くん炎上す

昼休みにも机に齧りついて読書を続ける吉原くんに、私は思い切ってメモを渡した。

さっと横から顔も見ずに、誰にも気付かれないように。

一応、彼の手がそのメモを受け取り、開いたのを横目で確認すると私は学食へ向かった。

すごく緊張した。

学食のいつものテーブルに行くと同じクラスの仲良しグループのみんながいたので合流した。

学食はいつもの通り激混み。

私たちはいつも授業が終わると交代で席を取りに走る。

今日の席取り担当だったレイちゃんは私が席に来るなり言う。


「おおー、きたきた。だいぶ席取りも落ちついてきたねー。ダッシュしてるのがばからしいくらい」

おでこに薄っすら汗を浮かべているレイちゃん。

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