吉原くん炎上す
駐輪場の裏は雑草が生い茂っていたが、校舎脇は地面がコンクリートだったのでその上を歩いた。
地図では突き当たりを右に入ったあたりが待ち合わせ場所に指定されていた。
右へ…。
すぐさま、吉原くんの視線とぶつかった。
私はびっくりしてしまった。
わずか50センチ先に彼の顔がある。
びっくりしてしまって言葉を失っている私に吉原くんは声を掛けてきた。
「なんだかわからないけど人に聞かれたくない話だと思ってここにした」
「う、うん。そうだね。人には聞かれたくないかな」
動揺しつつも答える。
「ブログの件?」
吉原くんはまったく感情のこもっていない声。
「そう。ブログを見たの」
「それで?」
吉原くんは私をじっと見る。
私は困った。
それでって言われても何もこの先は考えてない。