吉原くん炎上す

「吉田さんはさ。あれ全部見たの?」

私は頷いた。


まあ全部見た。
ちょっと画像には目を背けたところもあったけど。

「じゃあさ、ここって見覚えない?」

唐突に言われてあたりを見回す。

見覚え?草むらの中にダンボールを見つけた。

もしかして。

「ここってあの子猫の?」

満足そうに吉原くんは頷いた。


「さて、あのブログを見てどう思った?」


よりによって現場に呼び出した挙句、すごくストレートな質問。
怒りに任せてストレートに返した。


「胸糞が悪くなった。しかもグロいし、そんな事をする吉原くんが怖い、そして、歪んでいると思った。こんなに危険人物が隣の座席に座っていた事に驚いたし、何とかしないといけないって思った」

ふんふん、と満足そうに吉原くんは頷きながら罵倒のつもりだった私の言葉を一語一句噛み砕いて飲み込んでいく。


「うん。そうだよね」

そういうとニヤリと笑った。

ずっと鉄面皮だったのに急に。

それがすごく気持ちが悪かった。


多分、それが顔に出たんだと思う。


薄ら笑いを引っ込めて、吉原くんは私に訊いた。


「それで僕の事を呼び出してどうしようと思った?」










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