愛はそこにありました。
この帰り道も
しばらくおあずけ…


シミジミ浸ったりしてると
携帯が鳴った



「ハイ…」


「あ…俺…雅人…だけど…」

「お!さっきはどうも♪」

「あのさ…俺もなんで電話したかわかんないんだけど…なんか俺に話ない?…はは…俺…何言ってんだろ(笑)」


「ははっ話かぁ…そう言えば…アタシ、今日が最後だったんだよね。」

「え!なんで?別の店行くの?」


「アタシ…妊娠してて…一人で産むって決めたの…」


アタシ、さっき会った人になんでこんな話してんの?


「…父親は?…不倫とか?」

「不倫じゃないし(笑)父親と結婚したくなかったから」


「…ねぇ…今から会わない?」





なぜか会ってしまった…

妊婦って情緒不安定なんだなぁ…



アタシの部屋の傍の公園まで来てくれた雅人サン


「あの…いきなりで悪いけど…俺…父親になりたいんだけど…その子!俺の子じゃだめかな」


は?

「雅人サン…自分で何言ってるかわかってる?」


「俺、酔ってこんな話してるんじゃないよ。一目惚れで…なんか…どうしても守らなきゃって…ピンクの塊が俺を呼んでて…言いたい事まとまんねぇッッ」



ピンクの…塊…?

この子が呼んだって言うの?


この子が選んだ父親が…この人なの?




「ピンクの塊は…なんて言ってた?」

少し近づいて
「信じて…くれるの?」

アタシも近づく

「ピンクのそれ…この子よ?」


お腹を撫でる


雅人サンもお腹を撫でる


「この子が生まれて…俺見て笑ったら結婚しよう…」


「なかなか笑わないかもよ(笑)」


「大丈夫…笑顔の可愛い女の子な気がするから…」


暖かいキスが降りてきた…



ブランコが少し揺れて

死んだおじいちゃんが笑ってる気がした…


この子とおじいちゃんが引き合わせてくれたの?
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