めがね
しっかりとのり付けされた部分を、強引に手で破いた。


「めがね・・・?」
そう、めがねだ。
紺色のフレームの、お洒落なめがねだった。

机の上にそれを置いた。
早くかけろと言わんばかりにこっちを見ている。

つられて手を伸ばそうとして、僕の中の『野良猫』が右手をひっこませた。

そのまま右手を封筒へ運ぶ。
小さな三角が見える。
それをひっぱり、僕は言った。

「何だこれは」
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