めがね
「確かに魔法のめがねだ」

懐かしい景色が霞んでゆく。
言葉にならない感情が僕を包んだ。
考えたって出てこなかった答えが見える。


確かにこの世界は僕の知らないことで溢れていた。
目に見えることだけが全てじゃない。
そのもっとずっと奥に大切ものが隠れているんだ。
僕はそれを見つけられなかった。
見ようともしなかった。
自分で世界を狭めていたんだ。
本当はもっと果てしなく広いのに。



「今度はちゃんと信じるよ」

めがねをまた机に置いた。
透明の雫が一緒に落ちた。
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