恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)




「付き合っているしさ」



彼は耳の裏をかいた。




「うん…いいよ。私も嬉しい。男の子に名前で呼んでくれたことなかったし」




元々男子に興味がなかった。




だから男子には名字で呼ばれていた。




「桜…」




なぜ、好きな人にそう呼ばれるだけでこんなに嬉しくなるだろう。




なぜ好きな人に呼ばれるだけで、こんなにも切なくなるだろう。




< 119 / 281 >

この作品をシェア

pagetop