恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)
美術部に入ってみると、やはり油絵の具の匂いがした。
「どうぞ。座って。」
副部長らしき人が笑顔で声をかけてくれた。
美術部って、女のほうが多いと思っていたら男のほうが多かった。
隣で由利がキャアキャア言っている。
「部長の赤染 俊介と言います。」
爽やか青年が言った。
「副部長の佐尾 俊彦と言います。」
ニコニコと愛想のいい笑い。
「こちらが、私の副部長と後輩です」
いつもの青木先輩に戻った。