恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)




「私…ガンだったのよ」



そっと彼女は腰を押さえて言った。




「ガン…?」




つい眉間に皺を寄せてしまう。




「そう脊髄腫瘍が見つかったのよ。ちょうど、彼と恋人同士になっていたときに」




長い睫毛を彼女は下ろす。




「助からないとも、医者に言われていたのよ」




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