恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)
引いた番号は、7。
どうか咲良ちゃんでは、ありませんように。
最低な人かも知れない。けど…
今あの子の前で笑えない。
「では番号順に座って下さい」
黒板を見ながら、座った。
しばらく下を向いていたら、影ができた。
あわてて、上を向いた。
「あの…」
彼だ。
「よろしく」
一言だけ言って、座った。
まさか彼とは思わなかった。
「…どっちから描く?」
机の上に置いてある道具をみて答えた。
「じゃあ私からで」
急いで鉛筆を持つ。
じっと座れるわけない。
だって彼から見られるし。
彼はわかった。と返事をして、動かなくなった。
他のペアは、騒がしい。
私たちは黙々とやっていた。