恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)




引いた番号は、7。




どうか咲良ちゃんでは、ありませんように。




最低な人かも知れない。けど…




今あの子の前で笑えない。




「では番号順に座って下さい」




黒板を見ながら、座った。




しばらく下を向いていたら、影ができた。




あわてて、上を向いた。



「あの…」




彼だ。




「よろしく」




一言だけ言って、座った。




まさか彼とは思わなかった。




「…どっちから描く?」



机の上に置いてある道具をみて答えた。




「じゃあ私からで」




急いで鉛筆を持つ。




じっと座れるわけない。



だって彼から見られるし。




彼はわかった。と返事をして、動かなくなった。



他のペアは、騒がしい。



私たちは黙々とやっていた。




< 21 / 281 >

この作品をシェア

pagetop