恋は甘く、ときにはほろ苦く…(完)




「ち、ちがっ!」




必死に拒絶の言葉を言う彼。




「違うでしょ!」




力をふりしぼって、大きな声を出した。




「きみは私を身代わりのような存在にしないで。私は大洲桜。―何者でもない大洲桜よ」




少し高い女独特の声になってしまった。




「私を身代わりにしないでよ!」




急いでカバンを持って、彼の部屋から出ようとした。





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