~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅳ 竜と超能力の王

間章

「逃げられましたか?」

 暗い路地の、エアコンの室外機に座った影が問う。
 問われたもう一人の影は、忌々しそうにつばを吐いた。

「逃げられちまッたよ。どーにもあのガキ、いつの間にかあの辺の路地を『完全記憶』してやがッたらしい」

「厄介ですね、彼女の『完全記憶(フルリメンバー)』は」

「ッたく、本当だぜ……」
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