【完】俺の守護霊
俺を見てクスクス笑いだす美緒。
「何がおかしいんだよ?」
俺は真面目に話してるって言うのに。
『だって…それってあたしが居なくて寂しいって言ってるみたいなんだもん』
お腹を押さえながら笑い続ける。
「寂しい訳じゃないけど、せめてどこに行ってるか俺に言ってもいいだろ?」
『翔の近くにいつもいるけど』
「居ないだろ」
『内科病棟を歩き回ってるよ』
ようやく笑いが止まった美緒は階段を上りながら言う。
「で?何してんの?」
『いろいろと』
「何で隠すわけ?」
この1週間、さりげなく聞いても流される感じで大切なことはまったく話さない。
『別にたいしたことじゃないもん。あ、でも少し拗ねてる翔も好き〜!』
…話にならない。
「もういいや。じゃあな」
諦めて俺はロッカー室へと入った。