【完】俺の守護霊
しばらくして、翔の腕時計を見てそろそろ時間だから翔を起こそうとした時。
向こうから平井さんが走ってくるのが見えた。
うわぁー……
翔の寝顔見ちゃうの?
ヤダ、見せたくないもん。
しかも、走ってるし。
『翔、起きて。午後の診察』
「…うん」
肩を叩くとすぐに目を覚ました。
「川島先生、そろそろ午後の…」
「はい、行きます」
伸びを少ししてからノートと昼食のゴミを持って翔は立ち上がった。
「お昼もお勉強ですか?熱心ですね」
ノートに気付いた平井さんが聞く。
「えぇ」
翔はちょっと困った顔をしてあたしを見る。
それ…あたしの為に調べてくれてたんでしょ?
本当ならそんな事を平井さんと翔の間に割り込んで言うけど、もう言わない。
また怒られちゃうもんね。