【完】俺の守護霊
『ごめんね…?あたしの我儘だって事は分かってる』
あたしの為に翔の体がボロボロになる必要はないよ。
睡眠時間をかなり削って。
夜中までお仕事した後にあたしを探して。
「…俺は止めない」
あたしの手を握る翔。
痛くはないけど、力を入れて握ってるって事は感触で分かる。
どうしてそこまでして探そうとするの?
もう、いいんだよ。
『何で? もういいから…』
「美緒、身元が分からないと成仏出来ないだろ?』
『身元が分かった所でどうしようも無いじゃん。よく考えたらさ。あたしは死んでる訳だし、家族が居たってあたしは幽霊だから話す事もできないし。
第一身元が分かったから成仏できるって決まってる訳じゃないよ?』
成仏できる保証は無いのに、
これ以上翔に無駄な迷惑掛けたくない。