【完】俺の守護霊
『翔…好きだよ…?』
迷惑かけてごめんなさい。
「それは分かってる。 でも、美緒探しは止めない」
あたしの手を握りながら翔は言う。
…もう。
どうして分かってくれないの?
どうして…
『そんなにあたしに成仏して欲しいの…?』
「…美緒?」
あたしは真っ直ぐ翔を見た。
涙が目に溜まっているのが分かる。
でも、それが零れないように。
真っ直ぐ睨み付けるように見つめる。
『そんなに翔の前からあたし、消えてほしい?』
「…美緒」
翔は何も言わない。
分かって欲しかった…
「なぁ、美緒…」
翔はあたしの名前を呼んで掴んでいた腕を引っ張った。
あたしは引っ張られて翔の胸の中。
『離して』
「お前は幽霊なんだ。ここにいちゃいけない。早く成仏して楽になってほしい。だから俺は美緒の身元を探すんだ。
美緒がここにいたい気持ちも分かる。でも、成仏しないと」
抱き締めたまま翔は言う。