【完】俺の守護霊
…眠れない。
すこしだけ寝れたと思っても、夢の中で美緒が出てくる。
泣いてるんだ。
最後に見たときのように。
泣きながら寂しそうな目で俺の方を見て何も言わない。
「おい川島」
誰かに声を掛けられ、俺は閉じていた目をゆっくりと開けた。
すぐそばに立って俺を覗き込むようにして見ているので、ちょうど俺の顔が影になっている。
…しかもなんだか体がだるいし。
だるい体を起こして顔を上げると真山先生が俺を見ていた。
「体調でも悪いのか?」
「いえ…少し眠かったので横になっていただけです」
「顔が赤いぞ…?熱い」
真山先生は俺の首を触る。
ひんやりして気持ちが良い。
「計れ」
そして、机の引き出しから体温計を取りだすと俺の方へと渡した。
だるいだけだけどな。
そう思いながらも黙って体温計を脇に挟む。