【完】俺の守護霊

迷い


翔の前から逃げるように消えて早一週間。






階段ですれ違った後からあたしは真山先生の傍をうろついていて翔に会いに行ってない。






昼休み、中庭に居るはずの翔を遠くから顔だけ伺おうと見に行った事もあるけれど…いつもなら絶対に居るはずなのに居なかった。






「まだ帰らないのか」





あの小さな部屋に向かう途中、真山先生はあたしに向かって言う。






毎日毎日帰る頃になるとあたしに言う台詞。





『帰らないよ!翔のため…だもん』






自分が決めたことだしね。





『先生はもうあたしの事、探してないよね?』






あたしは先生の後ろを早足で付いていく。





先生は普通に歩いてるつもりなんだろうけれど…早いんだよね。






もう日も暮れてるから浮く事もできるんだけど、翔と同様先生もあたしになるべく浮くな、気持ち悪いって言う。






・・便利なのに。











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