【完】俺の守護霊
一時間くらい経った時。
いつもよりかなり寝てしまった俺は体はだるいけどもう寝る気は起きなくて。
ただ目を開けてボーっとしていたら。
美緒が少し声を出した後、パチッと目を開いた。
俺と目が合うと、美緒の瞳はますます大きくなる。
そりゃそうだよな。
起きたら隣に寝てるんだから。
そして美緒はむくっと起き上がると、何も言わずにベッドから出ていこうとする。
「美緒」
俺が名前を呼びながら腕を掴むと、美緒はベッドの上にちょこんと座ったまま、俺の方を見てまたまた目を見開く。
そして、
『見えるの…?』
と。
「見えるよ」
俺は答えながら起き上がる。
『そっかぁー…寝ちゃった!本当は寝ずに看病するつもりだったのに。しかも堂々と翔の横で』
笑って俺の額に置いてあったタオルを取り、洗面器に浸す。
『熱計って』
出ていった時の事には触れない美緒。
俺は差し出された体温計を受け取り大人しく脇に挟んで測定が終わるのを待つ。