【完】俺の守護霊
『翔…?どうした?』
美緒は腕を掴まれたまま、俺を見て首を傾げる。
俺は、何故か美緒を抱き締めたいと思い、美緒を自分の方へ引き寄せ抱き締めた。
俺の腕の中にすっぽりとおさまる。
この前のように抵抗もしない。
『翔?』
ただ、腕の中で不思議そうに俺の名前を呼ぶ。
「…ごめんな、美緒」
『えっ?』
「お前の気持ち考えないで。
俺の事心配してあんな嘘吐いてくれたんだろ?」
何でいきなりそんな事言いだすんだってあの時は怒って。
「良く考えたら美緒が諦めたりするはず無いのにな。
成仏したくないなんて言うはずないのに。
それを信じて美緒の気持ち考えないで分かりきった説得して、まだ調べ続けるなんて言って」
美緒が黙ったまま聞いているので、俺は1人で続ける。
「真山先生に聞いたんだ…
もう県内の病院には美緒に該当する人がいないんだって。
だから、もう探さない。
ゆっくり成仏できる他の方法を考えよう?
あ、別に美緒が消えて欲しいって訳じゃなくて。
もう、無理したりもしない。
だから…さ」