【完】俺の守護霊







抱き締める力を弱めて美緒の顔を見ると…





笑ってる癖に、泣いてる。






『可笑しいよ』






そう言いながら笑ってる癖に涙は頬を伝っていく。







『翔が…そんな事言ってくれるなんて思わなかった。
あたしがいるせいで体壊しちゃうって思ったのに、
あたしがいなくなったせいで体壊しちゃうんだもん』







美緒はニッコリ笑う。







…そうだ。






美緒がいる時はすっごく疲れるって思ってたけど、いくら無理しても体調を崩す事はなかった。







逆にいなくなったら…これだもんな。






「…全部美緒のせい。
…だから責任取って戻って来いよ」






『…迷惑じゃない?』






「泣きながら消える方が迷惑」






『鬱陶しいよ?』







「慣れた」







『ねっ、翔』







「何?」






『“戻って来て欲しい”ってさ、“あたしの事好き”って意味だよね?』







そう言って美緒はニヤニヤしながら俺に聞く。






好き…?







それは何か違うような…。







否定しなかったら調子に乗らせてしまうもんな。







「それは違う」















< 183 / 251 >

この作品をシェア

pagetop