【完】俺の守護霊
美緒の涙を手で拭いながら否定すると、美緒は
『それでも、“戻って来て欲しい”って翔の口から聞けただけで幸せ』
そう言って俺の首に両手を回してギュッと抱きついてきた。
「もう消えるなよ?」
そう言うと、美緒は何度も俺の顔の横で頷く。
…これでまた騒がしい生活に逆戻りだな。
美緒が抱きついたまま、動かずじっとしている間に
さっき自分が言った言葉を思い出してきた。
結構自分のキャラじゃない事をスラスラ言ってたよな。
俺…熱でどうにかしちゃったのか?
なんか恥ずかしくなってきた…。
恥ずかしさか、熱のせいか分からないけど熱い体。
抱きついている美緒の体温が冷たくて冷やされてるみたいで気持ちが良い。
いつもだったら抱きつかれたら嫌だったのに。
熱のせいか…
全然嫌じゃない。