【完】俺の守護霊
『ねっ?これで分かったでしょ?あの人にはあたしは見えないの』
その子は病院を出た俺をまた追いかけて自信たっぷりに横で話す。
「何で俺には見えるわけ?俺、霊感ないけど」
俺は生まれた時から今の今まで霊を見たことが無い。
こいつが本当に霊だったらの話だけど。
『おっ、信じてくれたんだ?』
嬉しそうな表情のそいつ。
信じるって言うか…本当に誰にも見えて無かったみたいだし。
『多分、あたしが見えて欲しいって思ったからだと思う…ほら!霊って見えて欲しいと思った人の所に出るって言うじゃん!』
「他の人にもそう思って気付いてもらえば良かっただろ?」
『そう思いながら話し掛けてってば!…でも気付いて貰えなかったの』
ちゃっかりと助手席に座って話すそいつ。