【完】俺の守護霊
次々と来る患者を診察していく。
今日は比較的少ない方。
「先生、午前の診察は以上です。お昼どうぞ〜。」
ちょうど今終わった患者のカルテを書きおわった時、やってきた看護師に声をかけられて、
腕時計で時計を確認すればちょうど診察時間を少し過ぎた所。
「昼からもよろしくお願いします。」
一言返して、診察室を出た。
そして、いつも昼を食べている場所、中庭へと向かう。
食堂が院内にきちんとあるけど、俺は研修医の頃からずっと食堂ではなく、中庭で食べる。
仕事がずっと院内だから、外に出て空気を吸いたいと思うし。
ガヤガヤ騒いでる食堂よりも静かで落ち着けるしな。
昼食を食べ終わると、また午後から外来の診察か入院患者の回診を行い、診察が終わると病院に残って仕事をするか、家に帰宅する。
………はぁ。
それが毎日繰り返される俺の生活。
でも、その何もない平凡な生活が一番良い事なんだよな。
「あっ!!翔先生〜!遊ぼ〜!」
中庭のベンチに座ってパンを食べながらくつろいでいると、向こうから男の子が俺を見つけて元気良く走ってきた。