【完】俺の守護霊
パン・パンッ…
リズム良くボールが俺と透の間を行き交う。
透はニコニコしながら俺の投げたボールを受け止め、俺に投げ返す。
小3にしてはコントロールも良く野球が好きなだけあって上手い。
「ねぇ、先生。明日もキャッチボールしてくれるでしょ?」
ボールをこっちに飛ばしながら少し遠くから言う透。
明日、ねぇ。
「明日ー…書類が溜まってるからなぁ。他の先生に頼んだら?」
書かなきゃいけない書類がいっぱいあるし…。
勉強もしなければならない。
明日も遊ぶ訳にはいかないだろ。
俺がボールを返しながら言えば、すぐに表情が曇った。
「だって……他の先生翔先生みたいに優しくないもん。それに翔先生イケメンだし。」
ちょっと頬を膨らませる透。
「他の先生も優しいぞ?
それに俺は別にイケメンじゃないし…。」
他の先生は忙しいだけで、別に優しくないっていう訳では無いと思う…。
それに、イケメンて。
そういわれて嬉しいのは嬉しいけれど、キャッチボールに関係なくないか?