【完】俺の守護霊
あたしはふぅ…と溜め池を吐いて時計を見た。
もう診察時間は終わりだなぁ。
ここも今の患者さんで終わりみたいだしなぁ。
『戻ろ〜っと』
そう呟いて奥のカーテンの方から繋がっているみたいなので翔がいる診察室に歩いていこうとした時。
「おい」
背後からあの先生の声が響き、
それと同時に腕を掴まれた。
あたしは体が固まる。
あたしの腕…掴まれてる?
ゆっくりと振り向くとあの無愛想な顔をしたまま椅子に座りあたしを見上げている先生。
絡まる視線。
今…あたしに向かって言ったんだよね?
だって腕掴まれてるし…あたし見えてるの?
うそ!?
見えてるっ!?
『わぁ!』
慌てて腕を振り払うと、
「さっきは言いたい放題だったな。幽霊が」
先生は低い声であたしをじっと見て言った。