恋愛両立
ゆっくり離れた唇。
でも体は離れなくて
息が鼻にかかるくらいの距離のまま。
こんな至近距離じゃ目も見れないっ
ぐっと腰に回ってる敦くんの手に力が入る。
近くにあった顔が離れたと思ったら今度はギュッと抱きしめられた。
「あ~っ・・・もうっ・・・マジでヤバイ・・・・」
大きなため息の後、敦くんが呟く。
強く抱きしめられたまま動けない私。
ずっと心臓はバクバク動いてて、どうしていいかわからない。
「早紀ちゃん・・・ごめん、オレのが酔ってる。」
そんな敦くんの声が聞こえてすぐ体が急に涼しくなった。
私を抱きしめていた敦くんの腕が離れたから。
急に離れた腕に、胸がギュッと痛くなる。
「ダメじゃん、ちゃんと逃げなきゃ。」
そう言って私の頭を撫でる敦くんの顔は寂しそうで
「好きでもないやつとキスなんかしちゃダメだよ。」
そんな敦くんの声に涙が出そうになる。