恋愛両立



自分の気持ちに向き合おうって決めた。



素直になろうって。



ゆっくり近づく敦くん。



「なんで?なんで泣いてんの?」



また寂しそうな顔をする敦くん。




胸がギューって痛くなって出た涙だよ。



苦しくてどうしていいかわかんないんだ。




「ごめっ・・・・違うのっ・・・わかんなっ・・くて・・・」



ボロボロこぼれる涙。



「ん?」


優しい敦くんの声が聞こえる。



余計に涙が溢れる。




「自分の気持ちっ・・・・わかんないからっ・・・だからっ・・」



「うん。」


両手で涙を拭いながらしゃべる。


もうお化粧なんてもう残ってない。


「どうしていいかっ・・・わかんなっ・・・いっ・・・」


「うん。」


「ごめっ・・なさいっ・・」


「謝んないで?大丈夫、大丈夫だから。」


やさしく背中をさすってくれる。


この大きな手に全部甘えたらどんなに楽なんだろう。






「オレ、待つから。最初からそのつもりだったし。」






涙目で見上げると敦くんは優しく笑っていた。



< 29 / 102 >

この作品をシェア

pagetop