恋愛両立
「ドキドキしないの?」
マンゴージュースのストローをくわえながらしゃべるまーちゃん。
グロスたっぷりのツヤツヤの唇。
「ドキドキするよ。でも敦くんカッコイイもん。ドキドキしない女の子なんていないよ・・・」
「じゃさ、東条さんは?」
「へ?」
いきなり出てきた名前にびっくりして変な声になる。
「東条さん?」
「だって、東条さんカッコイイもん、仕事出来るし、優しいし、カッコイイ人が毎日傍にいるんだよ?ドキドキしないの?」
まーちゃんが東条さんをそんな風に見てたなんてびっくり。
確かにかっこいい。
背が高いし、お洒落だし、仕事出来るし、優しいし。
まぁ、部下には厳しいんだけど。
タケルなんてしょっちゅう怒られてるし。
私も新人の頃は怒られてたしなぁ。
「東条さんは別だよ。今は尊敬してるけど入社したての頃は苦手だった。厳しいし、怖いし。仕事場の人をそんな目で見たこと無いなぁ。」
「そうなの?!もったいないよ!早紀ちゃんって総務の子たちがうらやましがってんだよ?」
「なんで?」
「だって、東条さんも潤さんもタケルくんも!みんなカッコイイもん、仕事も出来るし!東条チームは憧れなんだよ?」
「・・・・・」
そうなんだ・・・・
正直びっくり。
東条さんも潤さんも、出会った頃は仕事にいっぱいいっぱいで、男の人としてなんて見てなかった。
男の人も女の人も、「先輩」ってくくりに入れて一緒だった。
タケルは・・・・
手の掛かる後輩。
それ以上も以下も無いかなぁ・・
どんだけ仕事に夢中なんだよって感じだよね。
「なんの話ししてんの?」