恋愛両立


わがままだってわかってる。


今の関係だってすごく中途半端。


好きだけど、やっぱり仕事中心で。


こんなんだと付き合う事なんて出来ない。


でも断れないんだ。


だって好きなんだもん。


一緒にいたい、私をもっと好きでいてほしい。



ホントにワガママ。




ただ、敦くんの気持ちに甘えてるだけなんだ。












待ち合わせは敦くんの会社と私の会社のちょうど真ん中ぐらいにあるお店の前。


歩道が広くて、綺麗な花壇が脇にあって、石のベンチもある。


可愛い街灯に背中を預けて、携帯を見る。


6時半。


お互いの会社の定時が6時だから、6時ぐらいにねって曖昧な時間設定をした。


まだかな。



いつもお洒落なスーツを着てる敦くん。


ネクタイを緩める仕草とか、シワになるのに袖を捲って見えた腕とか。


カッコいいんだ。


ワックスのついたフワフワの髪とか、メガネの奥の目とか。


全部、全部。


ダメだな。


すごく好き。



そう思うんだけど。



自分に恋愛をする心の余裕が無くて。



この気持ちをどうコントロールしていいかわからなくなる。









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