涙の 偏見
八月 入院中
僕は 涙を流した。 八月始め とある ココロケアの病院で 父の死を 看護士から 聞かされ 柵のあるベランダで 一人で 泣いた。 しかし それは 悲しみの 涙では 無かった。 まわりは きっと 「あいつ キザだから 隠れて 泣いてやがる」 と 思っただろう。 しかし 違った。 僕は 悔しくて 泣いた。 あいつに 父に なにも 反発も 反抗も そして 暴力も 出来なかった 弱い自分が 悔しくて 悔しくて ならなかった。 なぜ あの時 「お前 酒 買ってこい」と言う時 反発しなかったのか 「かあちゃんの 財布から パチスロ代 ぬいてこい」に 反抗出来なかったのか そして パチスロで 稼いで 酒を飲み 脇腹を なんども なんども 痛め付けられた 行為に 暴力で 返さなかったのか。 悔しくて 悔しくて 泣きじゃくった。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop