心を知っていたなら
あたしにはイトコが三人
いる。母親の弟である、
春真((はるま))おじさん
の子供の奏((かなで))と
里緒菜((りおな))。その
春真おじさんの弟の一樹
((いつき))おじさんの子
供の颯太((そうた))。


あたしは、そのイトコの
誰とも仲良くない。奏は
医学部、里緒菜は高校き
ってのバスケのエ-ス。
颯太は幼稚園の時に始め
たサッカ-が芽を出して
高校入試もサッカ-で入
る事が決まっている。


あたしだけ、違う。


高校辞めて、水商売の世
界に入って、エリ-トな
イトコ達からも白い目で
見られてる。


じいちゃんもばあちゃん
も、あたしとイトコ達と
比べたら、イトコ達が可
愛かったみたいで。


二言目にはイトコ達の中
の誰かの名前が出た。


あたしといえば中学でグ
レて、反発しながらここ
まで来たから、身内から
理解されるなんて事、経
験したことがない。
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