いなくなる
「あんた!美奈に何したのよー!」


バシーッ!


美奈が寝ているベッドの前に立ちすくむ雅樹に向かって、利沙がいきなり頬を叩いた!


「ちょ!ちょっと鈴木さん!」


突然入ってきた雅樹と、その雅樹の頬をいきなり叩いた利沙に驚く小沼。


利沙から見れば、具合を悪くして保健室で寝ている美奈の様子を急いで見に来たら、
保健室から美奈の突然の悲鳴が聞こえてきて、部屋に入ると美奈が眠るベッドの前に雅樹が立っている・・・

利沙には、雅樹の頬を叩くのに十分な状況であった。


「えっ!・・・あっゴメン!」


利沙に突然頬を叩かれ我に返った雅樹は、美奈が眠るベッドの敷居のカーテンを
閉めた。



「雅樹!おい雅樹てば!」


利沙に突き飛ばされ、打ちつけた腰を手で抑えながら隆志が保健室に入ってきた、
二人に追い付いた幹男に手を貸してもらいながら。


「あっ!隆志あんたこんなところで何してんのよ!」


利沙は幼なじみの隆志の存在に気付き怒鳴りつけた。


「・・・何してるって、お前が俺を突き飛ばしたんだろが!」



「私が?知らないわよ!それよりコイツはアンタの知り合いなの!」


雅樹を指差し、怒りの表情を隆志に向ける利沙。





・・・うわー!恐わ・・・




隆志を支えていた幹男が、心の中で呟いた・・・
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