いなくなる
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ



・・・眠い・・・


・・・眠いんだ・・・


・・・でも・・・


・・・なぜ眠い・・・?



今にも眠りの世界に浸透しそうな、雅樹の中で思考と睡魔の格闘が始まる。


・・・眠り・・・?


必死に眠らないようにする顔を振る雅樹の目に、横隣の誰もいない席が写る。



・・・塩田!



激しい睡魔との格闘の中、雅樹は最初にいなくなった塩田の事を思い出す。



「たしか・・・?あの時、塩田は眠っていた・・・?」


「・・・そうだ、ねむっていた!」



雅樹の中の思考が、睡魔を後退させていく・・・



「・・・眠りだ!」



「いなくなる事に、眠りが関わりあっているのかもしれない・・・?」



カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ



しかし睡魔は、またも容赦なく雅樹の思考を鈍らせていく。



カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ



・・・この音・・・


・・・アイツが出す・・・この音が・・・


・・・眠りを、誘うのか・・・?


雅樹の思考は、またもや睡魔に侵食されていく・・・


「・・・だめだ・・・」


「・・・眠っては、だめだ!」
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