風にのせて君へ
奏先輩……
ま・さ・か
「照れちゃってるー?」
私がちゃかすと奏先輩はぷちんと血管が切れたご様子で、
「うっせえー!
自分がヒロインだと思うんなら、そんな“ー”使うな!」
「奏先輩だって使ってるじゃないですかぁー!」
そんな私たちの口喧嘩をさえぎるかのように、チャイムが鳴った。
「ほらほら、さっさと教室戻れ」
私は嫌々ながらも教室に帰った。
次の授業は古典で、
教室の一番後ろだった私は机に突っ伏して寝た。
あーあ。つまんない、つまんない。
古典の授業なんて、つなんないし、
まず奏先輩がピアノを弾いてくれないのもつまんない。
古典の授業なんてあのドラ○もん先生だし。
奏先輩はピアノ上手いくせに弾いてくれないし。
奏先輩はドラ○もんなくせに弾いて……
ん?
いやいや、混ざってる混ざってる。