風にのせて君へ
ピアノを聴かせて
あいにく、
その次の日風邪で私は学校を休んだ。
ベッドの中で、ぼーっと天井を見る。
やっぱり風邪だったか、と思い昨日全力疾走したことを後悔した。
この間からする、
胸のもやもやもきっと風邪のせいだ。
胸焼けか何かかな?
そう思っていると、ドアの前に立つ足音が聞こえた。
「乙冬、お母さん仕事に行ってくるからね」
ドアの向こうでお母さんがそう言った。
私はベッドから飛び出して、ドアを開けた。
「待って、お母さん!」
「何してるの、寝ときなさい」
お母さんは私を部屋へ戻そうとしたが、私はそんなのお構い無しにお母さんに訊ねた。
「ピアノ、どこにあるっ?」