風にのせて君へ
君へ届けたい
あれから、1週間近く経った。
私はというと、
奏先輩と雪先輩を避け続けていた。
今思うと、何であんなこと言っちゃったんだろう。
『そのときから、
雪先輩のことが好きだったんですか?』
あんなこと言われて、一番戸惑ってるのは奏先輩なはずなのに。
だけど、
それで奏先輩が雪先輩のことが好きだって気づいたなら、私は感謝してもらわなくちゃ。
今はまともに話せないけどね。
気づいたときには失恋だなんて、
本当笑えてきちゃう。
「乙冬、最近音楽室に行かないね?」
昼休みに教室で一緒に昼食を食べていた友達のマリが私に言った。
「んー? そう?」
「うん。いつも、スキップしそうな勢いで行ってたもん」
私はあははっと笑ってマリに言う。
「私、スキップできないもーんっ!」
「例えよ! た・と・え!」