風にのせて君へ


スキップしそうな、勢い?



私は笑っている中で考えた。



確かに私、前までは音楽室に行くことがすごく楽しくて楽しくてしょうがなかった。


それは、

奏先輩のピアノが聴けるから。


それに、

奏先輩と話せるから。



どうしよ。


やっぱり、奏先輩でいっぱいだ。




* * *




放課後、教室に一人残った私はそっと耳を澄ました。


ピアノの音が聴こえる。


ペダルの足を上げる音。

鍵盤を叩く音。


優しい旋律。



このピアノは……


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