風にのせて君へ




「私、



 奏先輩に



 届けたい、です」




泣きじゃくる私を

じっと見つめながら

奏先輩は頷いた。












「……ああ」








私ずっと

ピアノが恐かったのは、

届けたい人が
いなかったからだね。




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