風にのせて君へ
『奏先輩が好きです』って。
……。
無理っ!
やっぱり無理!!
私は自分でも顔が熱くなっていくことがわかって。
しかも
それが奏先輩のせいってことが、すごく恥ずかしくて。
頭をかかえる私の耳に、
ばたばたと走る足音が聞こえてきた。
瞬間的にわかった。
この足音、奏先輩の。
走る足音がこっちに近づいてくるのがわかって。
私は机から立ち上がり、
どこか隠れられそうな場所を探した。
ふと、
黒板の前にある教卓が目についた。
「星野!」