風にのせて君へ
だってね、
私には無理だよ。
あんな長い校長の話を
ずーっと黙って聞くなんて。
だから、ごめんねママ。
これで何度目かわからないけど、
また一緒に怒られましょう。
とりあえず、私は
「何サボってんだよ」
音楽室にいます。
私はピアノの音を止めて、
声の方向を見る。
「先輩もじゃないですか」
ふっと笑う奏先輩。
私はねえ、と言ってとなりまで来た奏先輩を見上げた。
「上手くなったでしょ?」
奏先輩はうーんと考えて私を見る。
本当は答えはでてるくせに。