memory~君とつながるもの~
着替えている時に目に付くのは、手首の生々しい傷跡。
いつもどうり、黒のリストバンドをして、その上からうすいカーディガンを羽織った。


-学校-

2-Aと書かれた教室に入った。
もちろん今は授業中。
すると、みんなの視線が突き刺さり痛い。

「西園寺…あとで指導室に来い…」
先生が呆れた顔で言った。


私は先生の言葉を無視して、一番後ろの窓側の自分の席に座った。

教室を暑い光が包み込んでいた。

みんなが目をそらしている中、あいつだけが私をずっと見ていた。




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