優しい君の、隠れた本音
キーンコーン

ちょうどよくHRの始まりを告げるチャイムが鳴り、私はしっしっと犬を扱うかのごとく笹森を追い払った。

恨めしげな目を向けならがらも大人しく席についた笹森は、隣の席の金山君に肩をポンポンと叩かれ、慰められている。

けど…



…彼の態度が投げやりに見えるのは、たぶん、気のせいじゃない。



「もっと真剣に慰めろよー!」なんて喚く声が聞こえるから、笹森も感じ取ったんだ。



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