優しい君の、隠れた本音
「ねぇ、ユウナ」

赤く潤んだ目で「なに?」と聞き返すそれは、俺に何のパフォーマンスも求めない。

目の前で泣くのを堪えている女の子は、俺が俺でいることを許してくれる、そんなとても大切な女の子。


「俺のこと嫌いー?」

「…嫌い、じゃない」

「んじゃぁ、好きー?」

「っ、」

朱色に染まったその顔が、俺の告白への返事だと、そう思ってもいいですか?


「ユウナかっわいいー!!」

「うるさい!近寄らないで!!」

そんな照れ隠しから来る憎まれ口も、もう、ただただ可愛く見える訳で、




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