粗目―ざらめ―
序章 叶子
 幼い頃に習った、童謡の歌詞にあった。

 手のひらを太陽に向けると、赤く流れる血潮が見えるという。




 笑ってしまうことに、この私にも、

……人間なんてやめてしまいたい、

友達なんかいない、

生きていたくない……

そんな私にさえ、真っ赤な血潮は、流れているのだ。

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